アンリ・ル・シダネル展2012年04月29日 19時47分13秒

損保ジャパン東郷青児美術館。「薔薇と光の画家」という副題がつくように、最後の印象派と呼ばれる画家だけれど、日本では、70点もの作品を集めた今回の個展が初めての個展となるそうだ。やっと東京にたどり着いて、楽しみにしていた個展。
初期の作品が飾られる最初の展示場で、以前広島で観たのと同じ構図の小振りな絵があり、にんまりしたのだが、出口が近づいたところで、正にひろしま美術館で観たあの絵だということに気づき、最初の部屋に戻る。広島で観た時に圧倒されてしまって、その後、イメージの中でどんどん肥大化していったのだろう。けして小さな絵ではないけれど、横長の今でいうハイビジョンサイズ。タイトルは「帰りくる羊の群れ」(1889年)という初期の写実主義の作品で、光のコントラストがすばらしい。今回モノキュラーで羊飼いの少年と少女の顔をじっくりと見たのだが、少年が帽子といい人相といい、チコ・マルクス(マルクス兄弟の長男)に似ていることを発見。ひろしま美術館さんもそろそろこの作品の絵はがきを作ってほしいなと思う次第。
独自の作風を確立してからのシダネルの絵は、薄暗い夕暮れ時の描写の中に必ず一点明るい窓の光などが印象的に描かれているのがお約束で、それをモノキュラーでじっくり観察できて楽しかった。

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