「ある映画監督の生涯」★★★ ― 2005年12月08日 14時27分09秒
1975年ATG。新藤兼人監督。再見。溝口健二の生涯を関係者へのインタビューをもとに構成したドキュメンタリー。「祇園囃子」、遺作「赤線地帯」に出演した若尾ちゃん、助監督であった増村保造も登場。この溝口作品二作に出演したことで、若尾ちゃんは凡百の人気女優とは別格の日本映画を代表する大女優への道をすすめたと言える。1975年当時の若尾ちゃんの正に女盛りと言える色香が短いインタビューからも伝わってきた。
「初春狸御殿」★★ ― 2005年12月11日 10時30分57秒
1959年松竹。木村恵吾貫禄。見事な和製オペレッタ時代劇。若尾ちゃんは、市川雷蔵、勝新太郎相手に狸のお姫様と泥棒の娘を演じていて可愛らしい。鈴木清順監督、チャン・ツィイー主演の「オペレッタ狸御殿」も最近リリースされたが、こちらは1959年の作品。このDVDで驚くのはカーナビみたいに音声ガイダンスがついていること。高年齢者が想定顧客だからということなのであろう。
「赤い天使」★★★☆ ― 2005年12月11日 23時32分59秒
1966年松竹。増村保造監督。フランスでも評価が高い作品であるが、若尾ちゃん自身、200本近い映画に出演してきて、この作品だけはこれまで見る気になれなかったとのこと。戦争と性を題材にここまで突き詰めた作品は他に類をみない。「西は勝ちました」というクールな台詞が全てを物語る。若尾ちゃんの演技はハードボイルドと言っていい。
「しとやかな獣」★★★ ― 2005年12月12日 10時35分09秒
1962年大映。川島雄三監督。新藤兼人の舞台劇のような脚本をシネスコサイズで見事に表現。全編高層アパートの一室とそこから見える範囲で物語は進行し、悪党だらけの登場人物はみんな強烈な個性を放つ。若尾ちゃんは希代の悪女を好演。象徴的に描かれる階段の上り下りのシーンがシュール。
「新婚日記 恥ずかしい夢」★☆ ― 2005年12月13日 10時37分11秒
1956年大映。田中重雄監督。熊本から転勤で上京した電電公社職員の新婚夫婦が周囲の人たちの厚かましさからなかなか二人きりになれず悶々とするという話。砂利道や電話の普及状態などインフラが整備されていない時代の生活が記録されている。若尾ちゃんの初々しい新妻ぶりが微笑ましい。
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