「お嬢お吉」 ― 2006年02月07日 21時24分33秒
1935年松竹。溝口健二監督。山田五十鈴主演。強請の常習犯で「お嬢お吉」の異名を持つ船宿の女将が、悪事から足を洗う決心をし、見合い相手の材木問屋の若旦那に全てを打ち明ける。山田五十鈴のきっぷのよさが光る。戦前に傑作をものにした溝口+山田のコンビは、溝口の最晩年にまた実現する予定だったが、その死で幻となったそうだ。「映画読本 溝口健二」(フィルムアート社)は、全作品の解説をうたっているのに、この作品が抜けていた。助監督だった宮嶋八蔵のインタビューが痛快。「ある映画監督の生涯」の新藤兼人を批判していた。たった二本の作品で美術助手だっただけなのに弟子を自称し、奇をてらったエピソードばかりさも本質であるかのように描いていたとのこと。
「新婚七つの楽しみ」★★ ― 2006年02月07日 23時28分06秒
1958年大映。白坂依志夫監督。街頭録音でインタビューされた若尾ちゃんと川崎敬三は意見が合わず対立するが、そのことが縁で1年後に結婚。共稼ぎで新婚生活をおくりながら、七つの楽しみを発見していく。さすがに2年前の「新婚日記」の時よりずっと大人っぽい風貌になっているし、キスシーンもちゃんと何度も演じている。夫の同僚(船越英二)の父親が彼女を見て「若尾文子そっくりだ」と言うシーンに苦笑。
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