「千年女優」「パーフェクト・ブルー」「東京GODFATHERS」2006年08月12日 15時31分28秒

今敏監督の長編3作をまとめて鑑賞。
「パーフェクト・ブルー」の絵は、凡百のアニメとさしてかわらないと思ったが、以降の2作、マッドハウスとなってからの絵は、江守徹がレンブランドの絵を引用していたように本当に素晴らしい。
「東京GODFATHERS」は、なぜこれがアニメでなければいけないのかわからないほどだ。ハリウッド映画だったら、実写で撮るであろう題材だと思う。逆にそれがいままでのアニメになかった視点なのだろう。
「東京GODFATHERS」の楽しい偶然の連続とスピード感は見事だし、前2作に共通する物語の入れ子構造と現実と虚構の交錯がトリップ感を生み出している。筒井さんの「夢の木坂分岐点」もこれで表現できるだろう。実際に筒井+今+マッドハウスのトリオが選んだのは「パプリカ」だったけれど、ひょっとしたらヴェネチア映画祭で栄冠を勝ち取るかもしれない。