「清作の妻」★★★★ ― 2006年08月16日 18時33分17秒

1965年大映。増村保造監督。増村+若尾コンビの最高傑作ではないか。なまじストーリーを知っていたため、これまで観るのを後回しにしてきたのだが、心の動きを緻密に表現した若尾ちゃんの演技は見事の一言。2年間の刑に服し戻ってきた彼女に対して、失明した夫(田村高廣)が、こういう境遇になって初めてお前が絶えてきた孤独の辛さがわかったと言って許すくだりが全編の白眉であろう。日露戦争の時代を舞台にしているが、ここで描かれている反戦のテーマは今でも色褪せていない。
最近のコメント