1983年松竹。村松友視制作。高橋伴明監督。山下洋輔音楽。松竹大船の倉庫に眠っていた力道山の試合のフィルムを発掘し、再編集したものであるが、公開当時全くの不入りでお蔵入りし、これまでビデオにもなっていなかった。今日の多彩な技をくりだすプロレスと比較すると単調な力道山の試合が延々と続くのを見続けるのは苦痛だった。冒頭の猪木、馬場のカラー映像の印象のほうが強い。途中途中に村松氏の解説が入るのであるが、ルーテーズ戦のフィルムがどうしても見つからなかったお詫びが入ったり、まるでメーキングフィルムのような趣きになってしまった。力道山最後の病室の写真にかぶさる山下洋輔のソロ・ピアノは哀愁があって素晴らしかった。