「残菊物語」2006年04月01日 21時46分56秒

1939年松竹。村松梢風原作、溝口健二監督。花柳章太郎主演。見事な出来ばえ。ワンシーンワンショットの手法を確立した傑作。後年、若尾文子が日生劇場で市川海老蔵(現団十郎)と舞台で演じるにあたって、この溝口作品を見て、「冷静に観ようと思いながら、とにかくすばらしいので、つい、うっとりと忘れてしまって」と語ったように、気がつくとひきこまれていた。

「ブラザー・グリム」2006年04月01日 23時45分28秒

1995年。テリー・ギリアム監督。さすがに才人監督だけあって、あきさせずにテンポよく話がすすむ。グリム兄弟が、行く先々の村人をだまして悪魔払いで金儲けしているという設定が面白い。モニカ・ベルッチの美しさが際立った。実際にみにくい600歳の魔女がいて、鏡に映る姿が若く美しいというモチーフがうまい。

「残菊物語」2006年04月02日 11時27分00秒

1963年松竹。大庭秀雄監督。岡田茉莉子主演、市川猿之助襲名記念作品。カメラは小津組の厚田雄春。原作、脚本は同じだが、溝口作品のダイジェストのような出来。伴淳三郎はじめ脇役陣は重厚だったけれど、主演二人は溝口作品の二人に遠く及ばない。

「ベルボーイ狂騒曲 ベニスで死にそ〜」★☆2006年04月03日 23時52分16秒

1991年米。原題"BLAME IT ON THE BELLBOY"。マーク・ハーマン脚本、監督。ベニスを舞台にしたドタバタ喜劇。ホテルのベルボーイがイギリス人客3人へのメッセージを渡し間違えたために、殺し屋、不動産屋、コールガール、マフィアが入り交じっての大騒動となる。手抜き不動産屋のパッツィは、好色な市長にコールガールと間違われるが、身体をはって取引し、大金をせしめる。本当のパッツイの客のダドリー・ムーアはマフィアに殺し屋と間違われ追いまわされる災難。トレヴァー・ジョーンズの主題曲は、トリュフォーの「アメリカの夜」そっくり。

「十代の誘惑」★★2006年04月04日 21時18分01秒

1953年大映。久松静児監督。京都への修学旅行中、おませな友人の巻き添えで門限(10時というのは遅すぎると思うけれど)を過ぎて帰ってきた男女が、みんなの噂となり、ついには新聞に載るような騒動となる。若尾ちゃんはいたって清く正しいのであるが、世間は美女に不良のレッテルをはって騒いでみないと納得しないのであろう。山本富士子が少ない登場シーンだけど先生役で出演している。