「千羽鶴」★★★ ― 2006年03月23日 19時59分41秒

1969年大映。川端康成原作、増村保造監督。最後の若尾・増村コンビ作品。平幹二朗の役は市川雷蔵がやる予定であったが、急逝したため実現しなかった。裏千家千宗室宗匠が指導した茶道シーンや茶室が重要な場面で出てくるが、雷蔵がやっていればもっとそれらしかっただろう。平幹二朗はいかにも演技が硬い。若尾ちゃんといい京マチ子といい、この映画、常に誰かが急に現れるのを予感させて、サスペンスを醸し出すことに成功している。新藤脚本+増村演出の妙である。若尾ちゃんは登場シーン全部もだえまくり。映画でやるべきことはやりつくしたと語っているのが納得できる凄みがこの作品の演技では感じられた。
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