「秘密」★★2008年07月06日 08時54分45秒

1952年大映。モノクロ93分。中村八朗原作、久松静児監督。田中絹代がやもめの高校の校長一家の女中を経て本妻として家族に認められるまでの物語。若尾ちゃんは屈託のない明朗な次女役。校長である父親(千田是也)を誘って友達みんなと「肉体の悪魔」を見に行くくだりや、入浴後にパジャマ姿で、田中と話しながら髪型をあれこれいじるシーンも微笑ましい。田中と熊本民謡を歌うデュエットシーンもあった。ご本人自身初期の会心作とのこと。

「息子の結婚」★☆2008年07月22日 22時45分37秒

1958年大映。カラー。島耕二監督。山中湖にキャンプに向かう若者たち。赤いオープンカーを運転する川口浩は、実業家の一人息子だが、父親に反発して家出を考えている。喧嘩の場面に突然現れた若尾ちゃんは初対面にもかかわらず臆することなく川口に近づき、東京で仕事を世話するからと言い、自分で再会の約束を決めてしまう。実は最初から彼の正体を知っていて近づいたのだろうけれど、当時としてはかなり能動的な女性像にちがいない。彼女の養母が川口の実の祖母という設定。芸者の桶屋に生まれ育ち、踊りはもちろんのことインテリアデザインも手がけるのだからなかなかの才女。