善き人 GOOD2012年01月11日 22時54分21秒

2008年英独。C・P・テイラーの舞台劇が原作。ヴィセンテ・アモリン監督。
宣伝のコピーはちょっとニュアンスが間違っていて、主人公は信念を貫く人には描かれていない。むしろ流されるままにナチの御用学者になり、ゲシュタポの一員にまでなってしまった典型的なドイツ人で、惚けた母親、妻、愛人そしてユダヤ人の親友との間で悩める日常を送っている。
「ロード・オブ・ザ・リング」も「ハリー・ポッター」も熱心に見てた訳ではないので、主役の二人とも馴染みはないのだが、二人ともリアリティがある演技で、正にその時代にドイツにいた市中の人々を演じている。
マーラーが「巨人」で描いている音楽の意味を、故岩城宏之がウィーンフィルの楽員からレクチャーされたエピソードを著書で読んだことがあるが、正にこの映画のラストシーンがそれを物語っている。虐げられたユダヤ人たちの叫びだ。