「日本橋」★★★2006年01月30日 23時11分21秒

1956年大映。泉鏡花原作、市川崑監督。淡島千景、山本富士子の二大女優が競う中、若尾ちゃんは愛らしい雛妓役で華を添えている。緞帳があがるオープニングであっと言わせ、独特の色彩感覚にあふれた市川流鏡花ワールドがよどみなく展開していく。飴を買いに行った若尾ちゃん、通りで悪ガキたちに囲まれいじめられるが、その頭がまだあどけない川口浩だった。何度も出てくる橋のシーンは情感たっぷりだし、終盤の火事のシーンもなかなかの迫力だった。時代劇とは思えないハリウッド映画のようなオーケストラ音楽も独特の味。