ベルリン国立美術館展2012年06月20日 21時11分33秒

国立西洋美術館。
ヨーロッパ美術、15世紀から18世紀までの総覧と名打つだけあって、この400年間の作品群の重厚さは堪能できたけれど、鬼面人を驚かすような作品は少なかった。地味というべきか。
フェルメールの「真珠の首飾りの少女」は、バックの白壁にあたる窓からの光の処理が印象的。少女の鼻の形が鋭角的なのは、オランダ女性の特徴なのかしら。女優のカリス・ファン・ハウテンもそういう鼻の形してる。

近代洋画の開拓者 高橋由一2012年06月20日 22時13分18秒

東京藝術大学大学美術館。以前、「鮭」だけは観たことがあるのだが、こうして全貌を観る機会は貴重。静物画だけなく、風景画、肖像画と、なんでも描いている。
肖像画で印象に残ったのは、エネルギッシュな「日本武尊」や写実的な「花魁」の絵。「大久保利通」や「岩倉具視」の肖像などは、写真をもとに描いているので、どこか寸足らずで滑稽な印象だ。
風景画では、江ノ島の絵が3枚も展示されていて興味深い。江戸時代に浮世絵で描かれた江ノ島を、洋画で描いた意義は大きいと思う。明治維新後、大久保利通の信任厚かった山形県令の三島通庸がすすめた土木工事を記録した数多くの風景画も印象的。
静物画では、「鴨図」のリアリズム描写に驚く。ベルリン国立美術館展に出ていたヤン・ダフィドゾーン・デ・ヘームの「果物、花、ワイングラスのある静物」(1651年)に通じるものがある。「鮭」はバージョン違いのものを含めて3点飾られていたが、弟子たちも同じ題材で描いたので、はっきりと誰の作品かわからない作品が複数あるというのは面白い。