「複雑な彼」2006年05月01日 11時37分34秒

1966年大映。三島由紀夫原作、島耕二監督。田宮二郎主演。安部譲二をモデルに描かれた原作の映画化。「ふしぎな男」役の若山弦蔵がいい味、というか、いい声だしていた。原作では冴子とはラストシーンでしか顔を合わさなかったが、途中で冴子の前に現れジョージのことを忠告する伏線がはられていた。ジョージが背中に彫った刺青は、原作では「実に見事な、圧倒的な、いやらしいほど鮮明な朱と青の画像であった」と書かれているが、青一色の冴えないフナみたいな絵柄で拍子抜けした。

「TAKESHIS'」2006年05月02日 00時08分41秒

2005年。北野武監督。この映画、訳がわからないということで興行的には失敗したようだが、フェリーニを観るみたいに右脳中心で観れば、それなりに楽しめる。たけしの秘書と隣人を演じる京野ことみが印象に残った。本人の役で登場する美輪明宏は、こないだ見た「永すぎた春」ではほっそりした美少年であったが、40年の月日をあまり感じさせない。

「寿の日」★★☆2006年05月02日 13時59分20秒

1975年TBS。開局記念の豪華キャストによる単発ドラマ。尾上松緑、浅丘ルリ子、長谷川哲夫、音無美紀子、吉永小百合、中村勘三郎、船越英二、乙羽信子、杉村春子、香川京子、植木等、佐野浅夫、奈良岡朋子、沢田雅美、中田喜子、上村香子、市地洋子、加藤真知子、鈴木治彦、森本レオ、萩尾みどり、他 。1975年には新藤監督による溝口のドキュメンタリー「ある映画監督の生涯」が撮られていて、インタビューに答える若尾文子40代前半の美しい姿が記録されている。この作品でも、同時期の若尾ちゃんが見られるのを楽しみにしていたが、洋服姿がまったく冴えない。髪型も変。妹役の吉永小百合に負けている。ところが訪問着の和服姿になったとたん、他の女優みんな霞んでしまった。圧倒的に美しい。間違いなくこのドラマの主役であることを印象づけた。ラストのウエディングドレス姿はまた平凡だったけれど。

「Mr.&Mrs.Smith」2006年05月02日 18時10分33秒

2005年米国。ジョリーが女王様スタイルでクールに人を殺すくだりが面白かった。夫婦がお互いに殺しあいに全力を尽くした末に和解したところで終わりかと思ったら、さらに先があってくたびれた。

「蛍の光」★★2006年05月03日 10時07分31秒

1955年大映。川口松太郎原作、森一生監督。当時まだ珍しかった総天然色カラー(イーストマン・カラー)で撮られた作品。冒頭、若尾ちゃんが縫っている設定の振り袖の刺繍の色が鮮やか。日光の東照宮や華厳の滝にもロケしている。育ての両親に死なれた若尾ちゃんは妹の学費を稼ぐために、大阪でファッションモデルになり、卒業式の日に戻ってくる。正に蛍の光を歌うラストのために作られたような作品だった。