「無思想の発見」養老孟司2006年01月26日 22時54分45秒

前半は、「超バカの壁」でも紹介していた心身の随伴説、他人の意識との間主観性、起きている時に脳内にできた無秩序(エントロピーの増大)が睡眠中に整理されて覚醒時に自己同一性が確心できる、という持論が詳しく論じられていて面白いが、じゃあどうするか、というあたりから後半にかけて粗っぽい展開になった。日本人の無思想は、じつは般若心経のようなもので、元を正せば、インドのお経を中国語に翻訳したものだから、中国から「歴史を尊重せよ」と言われたら「お前らのせいだ」と言えばいい、という。そうして議論の結果、生じた秩序によって一方にできた無秩序は寝ている間に脳が黙って片付けてくれるという楽観論であった。

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