「不倫」★★2010年10月06日 23時04分48秒

1965年大映。宇野鴻一郎原作、田中重雄監督。この作品は、傑作「清作の妻」と「妻の日の愛のかたみに」の間に撮られているのが面白い。ラストの寝たきりの設定は、後者につながっているし、妻としてしたたかに良人を確保するくだりは前者にテーマが通底する。川崎敬三演じる夫、江波杏子演じる愛人との奇妙な共同生活の中で、実は一番自分の欲求に忠実なのが若尾ちゃん演じるヒロインだということがわかってくる。妻妾同衾がテーマだけれど、川崎が真ん中に寝て川の字に寝るだけで、特に衝撃的な性描写があるわけではない。若尾ちゃんと江波が一緒に入浴するくだりで、湯船につかっている若尾ちゃんの肢体が透明なお湯越しに見えるシーンがサービスショットといえばサービスショット。