歌川国芳 没後150年展(前期)2011年03月26日 17時45分52秒

川崎・砂子の里資料館。幕末浮世絵界の奇才と呼ばれる歌川国芳の展覧会、前期の最終日にすべりこみで入場。
武者絵、忠臣蔵、歌舞伎、江戸や相州(神奈川)の風景、とジャンルも多岐に渡っていて、その異能ぶりがすごい。
「相州江之嶋之図」に描かれているのは、望遠レンズで全景をとらえたかのような迫力ある江ノ島の姿。広重の描いた江ノ島よりもおどろおどしい。
「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」の大スペクタルは、JAWS そのもの。
「大山良弁瀧之図」では滝に打たれる裸の参詣客たちの顔が面白い。歯をだして笑ってるように見える人も描かれている。
「見立十二支之内 卯 金五郎 小さん」では、歌川国貞や溪斎英泉の描く女性の顔と共通する(というか同じ人にしか見えないのだけれど、ゴッホも模写した花魁のあの顔です)やたら鼻や顔が長くて目がきつくつりあがった女性が珍しく笑っているように見えて、あ、この人も笑うことがあるんだという意外な驚き。歌麿の女性の顔も基本的には同じ系統だけど、もうすこし柔らかさがある。対照的に鈴木春信のほんわかした人のよさそうな女性の顔も気に入っている。
180年前に東京スカイツリーを予言したのではとコメントされている巨大な塔が描かれた「東都三ツ股之図」では、ご丁寧にもスカイツリーが映った現在の写真まで一緒に展示してあったけど、架空の物は描いてないと思うので、当時本当にあったのではなかろうか。20階建てぐらいの高さではありますが。

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